大矢アキオ『喰いすぎ注意』…急募、オーストリアの「ジローラモ」

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大矢アキオ『喰いすぎ注意』…急募、オーストリアの「ジローラモ」
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下みちドライブも楽し

サービスエリアばかりを書いてきたが、オーストリアは下みち、つまり一般道のドライブも楽しい。特におすすめはメッツィゲライといわれる肉屋さんである。

大抵のメッツィゲライでは総菜も用意していて、食べたいぶんを食べたいだけ切ってくれる。ドライブ途中ゆえ、「そんなにいっぱい食べたら、眠くなっちゃうぜ」というとき、ちょうどいい。味も日頃から地元の人を相手にしているだけあって気合が入っている。円安の昨今、これまた住民を相手にしているため、良心的値段なのも嬉しい。店の人たちの愛相も、妙に観光ズレしたイタリア大都市のバールよりも、ずっとほがらかである。

前述のサービスエリアといい、メッツィゲライといい、日本の高速道路関係者や、村起こし関係者の方々は、視察コースにはぜひ組み込んだほうがいい。

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オーストリア人気向上計画

そんな大満足のドライブを終え、あらためて「惜しい」と思ったのは、日本でオーストリア人気が今ひとつなことである。イタリアとドイツに挟まれて、やはり影が薄い。

そこでボクが考えたのは、日本仕様タレント作戦だ。そう、いわばオーストリアのパンツェッタ・ジローラモを、意図的に作りあげるのである。

イタリア男すべてが、ジローラモのようだと思っている人が多いが、それは大間違いだ。思わず「お前、ホントにイタリアーノかよ」と言いたくなるような、地味で暗いヤツもいる。それなのに、イタリア=ジローラモ=カッコいい、の図式が定着し、ついでに日産ティーダも売れる。

そこで、オーストリア観光振興の国家プロジェクトとして、イケメン・オーストリア人1名に強引に日本語を習得させ、日本市場に輸出するのだ。その男がウィンナーソーセージを焼いてみせたり、モーツァルトのワンフレーズをちょいとピアノで弾いてみせるたび、オーストリアファンは数名ずつ増える。

まあ、ボクにいきなり空手着で瓦を割ったあと、まわし姿でしこを踏めというようなものであることは確かで、 候補者探しに難航することは予想されるが……。

筆者紹介:大矢アキオ Akio Lorenzo OYA --- コラムニスト。国立音楽大学卒。二玄社『SUPER CG』記者を経て、96年からシエナ在住。イタリアに対するユニークな視点と親しみやすい筆致に、老若男女犬猫問わずファンがいる。NHK『ラジオ深夜便』のレポーターをはじめ、ラジオ・テレビでも活躍中。主な著書に『カンティーナを巡る冒険旅行』『幸せのイタリア料理!』、訳書に『ザ・スピリット・オブ・ランボルギーニ』(いずれも光人社)がある。新著に『Hotするイタリア』(二玄社)。

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《大矢アキオ Akio Lorenzo OYA》

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