自警団員が新聞記者に暴行、女性の自殺取材で

エマージング・マーケット 東南アジア

華字紙「光明日報」の社会部記者が取材中にペナン州の自警団メンバーに暴行を受ける事件があった。

こうした自警団員によるマスコミ取材者に対する暴力事件は過去にも何度も起きており、改めて自警団の在り方が問われている。

暴行を受けたのはアン・キエンシアン記者(32)で、ペラ・レーンのアパートで起きた女性の飛び降り自殺の取材のために12月30日未明に現場に出向いたが、取材を終えた際に一人のペナン州志願パトロール団(PPS)の団員に声をかけられバイクで途中まで送るとの申し出を受けた。この団員はアン記者が取材を始める際に写真を撮らないよう警告していたという。

しかしアン記者を乗せたバイクは目的地に行く代わりにPPSペラ・レーン支部の仮説オフィスに向かい、別の2人の団員が見張る中、アン記者はバイクから降ろされて建物の陰で2人から殴る蹴るの暴行を受けた。アン記者は顔や胸、腹などに打撲傷を負ったほか、持っていたカメラやメモリーカードも破壊されたという。アン記者は、取材に違法な点はなかったとしている。

事件を受けてペナン州プレスクラブなど半島北部の5つのメディア団体は、警察や政府・自治体に対し再発防止と取材者保護の徹底を要請。ペナン州のリム・グアンエン州首相は、アン記者に謝罪し治療費負担を約束した。

PPSペラ・レーン支部は2カ月前に設立されたばかりで、50人の団員が所属していた。現在はアン記者暴行事件を受けて活動停止命令が出ている。

伊藤 祐介

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