泰緬鉄道労働者補償金の行方、野党が政府を追及 マレーシア

エマージング・マーケット 東南アジア

第2次世界大戦中に日本軍が泰緬鉄道建設のために徴用したマレーシア人に対して日本政府が90年代に支払ったとされる補償金について、マレーシアの野党が「遺族に届いていない」と政府を追求している。

徴用されたのは3万人とされるがほとんどが現地で亡くなったとみられる。人数については13万人との主張もある。

問題を追求している汎マレーシア・イスラム党(PAS)のニザル・ジャマルディン下院議員によると、入手した財務省資料に基づくと補償額は2070億リンギの巨額なもので、中央銀行バンク・ネガラの記録からみて2004年に日本政府からマレーシア政府に支払われた。しかし被害者の遺族にはいまだに支払われていないという。

人民正義党(PKR)の実質上の指導者、アンワル・イブラヒム元副首相も90年代に支払われたのだとすれば自分が副首相だった時期に重なっていた可能性もあり責任があると強調。現政権責任者であるナジブ首相は補償金がどうなったのか明らかにすべきと述べた。

なお在マレーシア日本大使館が「ハラカ・デイリー」に明かしたところによると、1967年に締結された日・馬両国の補償協定に基づき、2500万リンギ相当の貨物船2隻の無償供与でもって補償の代わりとした。ただし被害者のリストや他の補償が行われたかどうかについては本省に問い合わせる必要があるとしている。

貨物船2隻の無償供与について、ニザル氏は第2次大戦中の日本軍の蛮行に対する補償であって、泰緬鉄道労働者への補償ではないと主張。他にもマレーシア政府が隠している現金があるはずだとしている。

《伊藤 祐介》

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