オーストラリアNSW州、ペトロール値引き広告規制

エマージング・マーケット オセアニア

レシートで客引き寄せる戦術に

 スーパー・マーケットで一定額以上の買い物をするとレシートに「ペトロール割引券」が印刷される。これを持ってスーパー・マーケット系列のサービス・ステーションで給油すると1リットルにつき一定額の値引きがある。これ自体が市場競争を阻害するとの批判がある。さらにもう一つの批判は、安い価格を表示した看板に釣られて給油すると、「安い価格はスーパー・マーケットの割引価格」と言われて客がだまされた気分になること。

 NSW州政府は、サービス・ステーションが、「割引後価格」だけを表示することを禁じる措置を発表した。正規価格を表示していない違反者には罰金が科せられる。アンソニー・ロバーツ公正取引担当大臣は、「ウールワースとコールズは、割引価格を宣伝することができるが、掲示するのは正規価格でなければならない。違反者は企業には最高$110,000の罰金、個人には最高$22,000の罰金が科せられる。公正取引庁の検査官が回り、ドライバーが公正な取引をできるよう監視する。余りにも長くこの市場では公明正大な商習慣が無視されてきた。大手企業がレシートその他を使ってドライバーを釣ってきた」との声明を発表した。

 サービス・ステーションは、過去6か月、もっとも売れ行きの良かった燃料の価格表示を義務づけられる。ロバーツ大臣は、「問題は、通常掲示されているE10の価格とめったに掲示されないプレミアム燃料価格に大きな開きがあることで、プレミアム燃料専用自動車のドライバーはステーションに入ってポンプを見るまで価格が分からないことが多く、結局あきらめてその価格で給油することになる」と述べており、ドライバーがサービス・ステーションに入る前に自分の買おうとする燃料の価格が明らかにされていなければならないという基本的な線を明らかにしている。(NP)

NSW、ペトロール値引き広告規制

《 Nichigo Press 》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

アクセスランキング

  1. 「TWIN TURBOのロゴ懐かしい!」Z32ファン感涙、レトロ感あふれる新型『フェアレディZ』が話題に
  2. 三菱『エクリプス クロス』新型、航続600kmのEVに…ルノーからOEM供給へ
  3. 空冷ポルシェで1台2億円!? マニア垂涎『シンガー911 DLS』とは
  4. 一人乗りマイクロEV「EQV-TREK」発売、355kgの軽量ボディで航続110km…107万8000円から
  5. 「思ったよりだいぶ安い」トヨタ『GRヤリス』に新登場、エアロパフォーマンスパッケージに絶賛の声
  6. ホンダ『ヴェゼル』、新グレード「RS」先行予約開始…10月発売へ
  7. 顔が激変! BMWの最小SUV『X1』改良新型、ノイエクラッセ導入へ…プロトタイプを初スクープ
  8. メルセデスベンツ、3年間で40車種以上投入へ…次期『Cクラス』は2026年春生産開始
  9. 「妄想が現実になった」トヨタがAE86のエンジン部品を発売へ…「復刻だけじゃない」その内容に驚きの声
  10. 「みんなガソリン車が欲しいんだよ…」フィアットの新コンパクト『グランデパンダ』、6速MT登場に日本のファンも反応
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
ランキングをもっと見る