【スズキ スイフト 試乗】走りを損なうことなく20%の燃費向上…松下宏

試乗記 国産車
スズキ・スイフト
スズキ・スイフト 全 14 枚 拡大写真

軽自動車の世界で厳しい燃費競争を展開しているスズキは登録車のスイフトにも新しい低燃費技術を投入してきた。デュアルジェットエンジンと呼ぶインジェクターを2個装着した新エンジンがそれで、FF車の燃費を従来に比べ一気に20%以上も向上させ、26.4km/Lを達成した。

【画像全14枚】

これは当然ながら1.2リットル車としてトップの燃費で、ガソリン車全体で考えてもミラージュの1.0リットル車の27.2km/Lに次ぐ数値である。

これまでのスイフトは、けっこう良く走るクルマという評価を得ていた。スポーツモデルであるスイスポに限らず、限らず標準車の足回りも評価が高かった。ヨーロッパで走り込んでチューニングされた足回りが好評を得ていたのだ。

その一方で、走りは良いけど燃費はさほどじゃないよね、という評価もあった。そこで燃費の部分で大幅な改良を図ったのが今回のデュアルジェットエンジンである。

このエンジンは、2個のインジェクターによって燃料を霧状に噴射して燃えやすくすると同時に、燃焼室形状の工夫や吸気ポートの最適化などと合わせて燃焼効率を高めた。

ほかにも圧縮比を高め、クールドEGR(排気ガス再循環装置)を採用するなど、様々な改良が図られた。

更にエネチャージやエコクールなどのスズキのグリーンテクノロジーも採用された。これも燃費に貢献する要素である。

結果として、67kW/118N・mというパワー&トルクの数字を損なうことなく、燃費を向上させることに成功した。というか、最大トルクを発生する回転数は下がっている。これは実用燃費を良い方向に向かわせる要素だ。

改良されたスイフトを走らせると、普通に良く走るクルマという印象を受けた。これまでの軽快さをスポイルすることなく、燃費の良いエンジンに仕上げられたのだ。

軽くアクセルを踏むだけでスムーズに走り出すし、ペダルを踏む足に力を入れれば滑らかに加速が伸びていく。燃費志向のエコカーにありがちな加速時のストレスを感じさせることなく、自然な走りが得られるのが良い。

燃費の良い状態のときにはメーターパネルに緑色が表示されて、エコドライブを促し、アクセルペダルから足を離せばそれが白く変わってエネチャージが効いているのが分かる。

エンジン部品の中で比較的高価なインジェクターを2個装着するため、デュアルジェットエンジンの搭載車の価格は普通のエンジンを搭載する標準車に対して12万円ほど高くなっている。

これは20%の燃費向上だけで簡単に取り戻せる価格差ではないが、デュアルジェットエンジンの搭載車はエコカー減税で免税扱いになる。普通のガソリン車は50%の減税だから、この分で実質的な価格差が縮まり、経済的な合理性も出てくる。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★

松下宏|自動車評論家
1951年群馬県前橋市生まれ。自動車業界誌記者、クルマ雑誌編集者を経てフリーランサーに。税金、保険、諸費用など、クルマとお金に関係する経済的な話に強いことで知られる。ほぼ毎日、ネット上に日記を執筆中。

《松下宏》

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