【NEW環境展14】空気を使わないタイヤ、産業用では既に実現!

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内部までゴムで作られ、側面から穴を開けてノーパンクとクッション性を両立させているクッションソリッドタイヤ
内部までゴムで作られ、側面から穴を開けてノーパンクとクッション性を両立させているクッションソリッドタイヤ 全 3 枚 拡大写真

建設現場などの路面環境は、一般道とは比べ物にならないほど厳しいものだ。路面の凹凸や大きな石がゴロゴロしているだけでなく、鉄筋や鉄くずのような金属片が落ちていることも珍しくない。そのためパンクも多く、その程度も公道とは比較にならないほど酷いものだ。

そんな建設現場でもパンク知らずのタイヤをNEW環境展で見つけた。西日本タイヤのブースにはユニークな2種類の空気を使わないタイヤが展示されていたのだ。

まず1つはトーヨータイヤの「エアボスタイヤ」。これはソリッドゴムで出来たタイヤの側面に円周方向に並んだ穴を開け、タイヤの縦剛性を調整することで耐荷重とクッション性を確保している。ソリッドゴムと言ってもトレッド面と中間のクッション部分、ホイールに接するベース部分の三層構造でそれぞれ異なるゴムを組み合わせ、穴の大きさや数はコンピュータ解析によって決められている。ただし、こちらはフォークリフト用でホイールも専用のものを使うと、制限がやや大きい。ただし中国製の類似商品、クッションソリッドタイヤはその他の重機にも対応するようだ。

もう一つの「ソフトフィル」は、従来のタイヤとホイールを使用し、空気の代わりに内部にポリウレタンエラストマーを充填するもの。自転車用のノーパンクタイヤ加工と考え方は全く同じだ。

重機はパンクすると修理も大変であるだけでなく、スペアタイヤが尽きれば修理完了まで稼働することができないので業務に支障を来すことも。その損失を考えるとノーパンクタイヤを使うメリットは大きい。

乗用車は難しくとも、トラックならソフトフィルを充填したタイヤも可能なのでは。そう思い、加工・製造元である西日本タイヤの方に聞いてみると、ナンバーの付く車両の場合はバネ下荷重に制限があるので、まだ実現は難しいとのこと。ランフラットタイヤもいいが、実際にはパンクすれば使い捨てになることもある。乗り心地が良く、パンクしない乗用車用タイヤの登場を期待したいところだ。

《高根英幸》

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