【ホンダ S660 プロトタイプ 試乗】軽スポーツ時代の再来を告げる本格派…諸星陽一

試乗記 国産車
ホンダ S660 プロトタイプ
ホンダ S660 プロトタイプ 全 19 枚 拡大写真

「S+排気量」のネーミングを持つホンダ車はいつの時代もスポーツカーファンの心をつかんで離さない。かねてよりウワサのあったホンダの軽自動車オープンモデル『S660』についに試乗する機会を得た。

【画像全19枚】

軽自動車、2シーター、ミッドシップというキーワードを組み合わせながらも、ホンダは『ビート』の名称を使わず。伝統的なネーミングであるS+排気量を用いた。これはホンダがこのS660に並々ならぬ思いを寄せていることの現れ。それもそのはずで、このS660は本田技術研究所の創立50周年記念として公募された企画から生まれたクルマなのだ。

搭載されるエンジンは64馬力の3気筒ターボ。ターボにラグ(過給遅れ)はなく、低回転からスッキリと回るエンジンとターボの組み合わせはよどみないパワー感を得ることに成功している。ターボ付きエンジンは過給圧が上がりすぎないようにリリーフバルブが装着されるが、S660ではこのリリーフバルブが作動した際の大気開放音もあえてチューニング、スポーツカーらしい味付けを行った(ただし、MTはあまり音が聞こえない)。

試乗車は軽自動車としては初となる6速MTが組み合われていた。手首をコクッと返すだけで確実にセレクトできるMTを1速に入れ、クラッチをつなげば軽快に加速をはじめる。シフト&クラッチ操作はシフトアップ時もシフトダウン時も小気味いい。エンジンサウンドはターボが付いているわりには乾いた音で、ホンダらしいものと言える。レッドゾーンは7800回転とかなり高く、そこまでしっかり回して楽しい走りが可能だ。

S660のタイヤはフロントが165/55R15、リヤが195/45R16と前後で幅が3サイズ異なる設定。そしてブランドは横浜ゴムの「アドバン ネオバ(ADVAN NEOVA)AD08R」。このサイズ差、タイヤのブランドからもわかるようにハンドリングは高スタビリティセッティング。サーキットで走っていても破綻を迎えるようなことはない。オープンカーのレベルを超えたボディ剛性も走りのよさにいい効果を与えている。

また、アジャイルハンドリングアシストと呼ばれる。ヨーコントロール機構も採用。コーナリング中にステアリングを切り増すと、イン側のタイヤにブレーキを掛け曲がりやすくする。ステアリングの切り増しはアンダーステアを導くことが多いが、この機構によりアンダーステアはきれいに抑えられ、スムーズなコーナリングを実現している。

S660はオープンカーである前にミッドシップスポーツであるという身上。今回はサーキットでしか楽しめなかったが、ワインディングではさらに楽しい走りが得られることと期待している。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★

諸星陽一|モータージャーナリスト
自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活躍中。趣味は料理。

《諸星陽一》

諸星陽一

自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活動中。趣味は料理。

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