16日の反BERSIH大集会、華人の間で懸念高まる マレーシア

エマージング・マーケット 東南アジア
マレーシア(イメージ)
マレーシア(イメージ) 全 1 枚 拡大写真

9月16日の「マレーシア・デー」にマレー人右派団体が「マレー人尊厳協会集会」と称する大規模集会の開催をクアラルンプール(KL)で計画していることに、華人の間で懸念が高まっている。

同大集会は、公正な選挙を求める活動を行なっている非政府組織(NGO)が8月29日午後から31日未明にかけて開催したナジブ・ラザク首相の退陣を求める大規模集会、「BERSIH(クリーン)4.0」に対抗したもので、BERSIH4.0の黄色シャツに対抗して赤シャツを着ているため「赤シャツ・ラリー」などとも呼ばれている。警察は中止を求めているが、主催者側は30万人を動員すると公言している。
「反BERSIH4.0集会」を呼び掛けている与党第一党・統一マレー国民組織(UMNO)のジャマル・モハマド・ユノス氏(スンガイベシ支部)ら末端右派とUMNO機関紙であるマレー語紙「ウトゥサン・マレーシア」は、華人系の野党・民主行動党(DAP)がBERSIH4.0を陰で糸を引いていると主張しており、大集会が暴走して過激な反・華人活動に発展する恐れが懸念されている。

こうした懸念から首都圏の華人の間では、ソーシャルネットを通してKL市内に近づかないようにとの呼び掛けが広がっている。大集会の中心地となるブキ・ビンタン地区などの多くの華人商店は混乱を避けて閉店する模様だ。在マレーシア日本国大使館も、在留邦人向けに注意喚起を行なっている。

民族対立への発展を懸念する19の穏健派マレー系組織は、連名で「反BERSIH4.0集会」への反対を訴えた。またセランゴール州国民福祉発展機関(ProRakyat)とオタイ・リフォルマシが、メンバー2,500人をパトロールに出し、華人を保護するとの声明を発表した。大集会の動きを監視するという。

伊藤 祐介

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

アクセスランキング

  1. トヨタ『ハイラックス』新型、まずはディーゼルの5グレードを豪州発売…約355万円から
  2. 分割式で取り付け簡単、MAXWINの金属製スノーチェーン「K-TIR08」発売
  3. トヨタ『RAV4』新型、ジェイテクトの協調操舵技術「Pairdriver」初搭載
  4. メルセデスベンツ、新型電動ミニバン『VLE』を2026年3月世界初公開へ
  5. 「初代エンブレム エモい」ホンダ『ステップワゴン』が30周年! 特別仕様車にSNSで感動の声
  6. 「5速MTを残すのは漢」新型スズキ『ワゴンR』に反響続々! デザイン統一にも「思い切ったな」
  7. 21世紀史上最高の快音マシン “レクサス LFA”が復活!V12のF1エンジンを搭載したF50も登場、ホットウィールの新製品が熱すぎるPR
  8. 『頭文字D』『MFゴースト』『昴と彗星』が東京オートサロン2026に集結、AE86・BRZ・86を展示
  9. 驚くほど広がる後方視界、ホンダ「Nシリーズ」専用「リアビューミラー&カバー」が発売
  10. 三菱『デリカD:5』19年目の大幅改良で「原点回帰」、期待されるフルモデルチェンジは? 開発責任者「デリカを終わらせてはいけない」
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
ランキングをもっと見る