高度道路交通システムに焦点を当てた国際会議「ITS世界会議」が10日、オーストラリア第2の都市メルボルンでスタートした。今年で23回目を迎えたこの会議、オーストラリア国内では2001年に開催された第8回のシドニーに続く2回目の開催となる。
世界は人口の急増と共に、自動車をはじめとする交通システムが引き起こす様々な問題に直面している。ITS世界会議では、この問題を最先端の通信技術によって解決を図ろうと官民学の研究者達がその研究成果を発表し合う。
ITSオーストラリアが発表した内容によると、この会議には世界60カ国から7000人を超える出席者と約300の企業・団体が参加。会場となったメルボルン・コンベンションセンター(MCC)でITS関連の研究発表が行われ、企業・団体による展示の他、最先端技術の成果として多くのライブデモも開かれる予定となっている。
メルボルンは今、“オーストラリア最悪”の交通渋滞が課題となっている。メルボルン国際空港から市内中心部までの公共交通機関は現在バスに頼っているが、所要時間は年々悪化の一途をたどり、交通渋滞の解決のためにモノレール建設の検討も始まっているところだ。会議ではこうした問題に対する提案も予定されている。
オープニングセレモニーはオーストラリアの先住民による伝統の音楽がホール内に響く中、MCC内ホールで開催された。会場は関係者の出席でほぼ満席。ブライアン・ネグスITSオーストラリア委員長の挨拶に立った後、ビクトリア州国土交通安全大臣、ITSアメリカやITSヨーロッパ、ITSアジア太平洋の各代表が挨拶を行った。
途中、メルボルン在住の少女たちによる合唱コンサートも開催され、和やかなムードでセレモニーは進行。3年前より始まった表彰も各地域より一人ずつが選出された。セレモニーが終わった後は、展示会場内でウェルカムパーティへ移り、会場は和やかな雰囲気に包まれた。
第23回ITS世界会議は14日まで開催される。