テスラの電気トラック『セミ』、どんな性能?…パフォーマンス&コスト

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テスラの電気トラック、セミ
テスラの電気トラック、セミ 全 10 枚 拡大写真

米テスラは現地時間16日、同社初の電動トラック『セミ』を発表した。予約の受注を開始し、生産開始は2019年を予定している。テスラでは、輸送コスト削減と、乗用車との安全な混合走行が可能な動力性能をアピールする。

セミはの加速性能は、トレーラーなしのトラック単体で、0-60マイル/h(約97km/h)が5秒と発表された。同クラスのディーゼルトラックは15秒かかるそうだ。フル積載8万ポンド(約36トン)の場合は20秒で、従来のディーゼルトラックは1分かかる。また5%勾配をセミは65マイル/h(約105km/h)で安定して登れるいっぽう、従来型は45マイル/h(約72km/h)がせいぜいだという。セミにはシフトやクラッチがなく、加減速がスムーズなのも利点だろう。

セミのモーターは『モデル3』に使用されているモーターから派生して設計された。車載センサーが車両の不安定を検知すると、個々のブレーキを作動させると共に各ホイールのモーターにトルクをかけ、たとえばジャックナイフ現象のような事故のリスクを抑えることができる。バッテリーも車体の低重心化に貢献している。

セミの運転席はセンターに配置された。ドライバーの両サイドにあるタッチスクリーンディスプレイでは、ナビゲーション、ブラインドスポット(死角)モニタリング、電子データロギングを提供する。インターネットに接続してフリートの管理システムと統合し、ルート案内、スケジューリング、モニタリングなどをサポートすることもできる。

サラウンドカメラは車両周辺のブラインドスポットを最小限に抑え、危険や障害物をドライバーに警告する。自動緊急ブレーキ、自動車線維持・逸脱警報、ドラレコなどを提供するオートパイロットも搭載された。

回生ブレーキは運動エネルギーの98%を回収する。「ブレーキの寿命が尽きることはほぼない」とテスラ。可動部品の数がディーゼルエンジン駆動のトラックと比べて少なく、トランスミッションやディファレンシャル、排ガス後処理システムなども無いため、メンテナンスの負担も少ない。

テスラが訴求するコストにおける最大で直接の効果は、エネルギーコストの削減だ。セミはフル積載でのハイウェイ走行において2kWh/マイル(約1.25kWh/km)以下しか消費せず、航続は500マイル(約800km)。新型の急速DC充電器のメガチャージャーは、走行距離およそ400マイル(640km)分の電気を30分間で充電できる。テスラによると、アメリカでの貨物物流のほぼ80%が距離250マイル(約400km)以下だそうだ。

アメリカでは電気料金は安価で安定しており、テスラによるとkWhあたり平均0.12ドル(約13円)だ。太陽発電・蓄電と組み合わせれば燃料費はほぼゼロになる、とテスラはいう。試算では、燃料コストだけで、走行100万マイル(約160万km)で20万ドル(約2200万円)以上節約できるとしている。

車両価格は発表されていないが、手付金は5000ドル(約56万円)だ。
テスラ、電気トラックの『セミ』を発表[動画]

《高木啓》

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