気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。
2018年5月30日付
●三菱自役員報酬1.5倍増、17年度ゴーン会長就任で(読売・8面)
●ロマンスカー7000形引退へ、7月10日通常ダイヤ終了、新宿駅でセレモニー(読売・24面)
●トヨタ「今年こそルマン初V」(朝日・8面)
●なるほドリ、ガソリン価格なぜ上昇?(毎日・2面)
●「自動運転車怖くて乗れぬ」73% 事故が続発 米で不信感(毎日・7面)
●主張、高齢者の事故、免許年齢に上限の導入を(産経・2面)
●米自動車制限など議論、31日にパリで貿易大臣会合、日欧との対中連携懸念も(産経・13面)
●自動運転、新車の3割、成長戦略原案、30年までの普及目標(日経・1面)
●EV、送配電網に接続、経産省実験、再生エネの需給調整(日経・5面)
●日産、東南アジアに新SUV、まずフィリピンで発売(日経・11面)
●スズキなど、インドで鶏卵流通(日経・14面)
ひとくちコメント
「自動運転車」の話題をめぐる日本と米国から流れてきた2つの記事を比べてみると、その考え方で極端な温度差を感じるのが興味深い。
まず、日本からは、政府が6月にまとめる成長戦略の原案の柱は「自動運転車の普及」としており、人による運転を前提とする道路交通法の見直しを2020年度までに進める一方で、自動運転モードで走行し緊急時だけ運転手が操作する「レベル3」相当の自動運転車を、2030年までに国内の新車販売の3割以上にする目標を掲げたという。
きょうの日経が1面準トップで「自動運転 新車の3割」との大見出しで報じている。政府の考えは「自動運転のルール作りで先行する欧州に追いつき、技術開発の主導権維持を狙う」そうだ。
12年も先のこととはいえ、自動運転モードにおける運転操作はすべてクルマの責任において実行される、「レベル3」に引き上げるまでのハードルは相当高いとされている。政府の原案には「必達」よりも「努力」目標としているケースが多いことも考慮する必要があるが、バカ高い自動車諸税の“還付”のつもりなのかどうかはわからないが、「自動運転」が政府の成長戦略の柱というのもいかがなものか。
一方、米国から発信された自動運転車の話題だが、自動車メーカーやIT企業が開発中の「完全自動運転車」について、米国のドライバーの73%が「怖くて乗れない」と考えていることが、米国自動車協会(AAA)が4月に実施した調査で分かったという。
きょうの毎日などが共同通信の記事として取り上げている。それによると、2017年末時点の調査では63%だったが、米国では自動運転に関係した事故が相次いだことから完全自動運転車に対する不信感が急激に高まったとみられる。
ちなみに、完全自動運転車とはドライバーが存在しない場合を想定した「レベル4」以上の自動運転モード機能だが、試験段階とはいえ、「怖くて乗れない」という回答が増えているのは関係者にとっても複雑な心境だろう。