新型も「いつかはクラウン」なのか? バブル前夜の7代目が見せた革新【懐かしのカーカタログ】

トヨタ・クラウン(7代目)
トヨタ・クラウン(7代目)全 11 枚

一挙に4車種を発表し、これまでの“噂”を吹き飛ばした『クラウン』。お披露目のセレモニーでも取り上げられた「“いつかはクラウンに”と、多くのかたがおっしゃいます。」有名なこのコピーは、バブル前夜とも言うべき1983年、7代目『クラウン』が誕生した際に使われたキャッチフレーズだった。

【画像全11枚】

「ハードトップ」と「スーパーホワイト」

この世代のイメージリーダーというと、やはり4ドアピラードハードトップ。ハードトップの4ドア版自体は5代目から登場し、6代目まで、2ドアと4ドアの両ボディが設定された。それがこの7代目からは4ドアの1タイプ(ほかにセダンも設定)となった。

この7代目のスタイリング上の特徴は“グラッシーな輝きを放つクリスタルピラー(カタログの記述より)”で、これは同世代の『マークII』でも生かされた。またフロントマスクのデザインも『クラウン』のイメージを象徴するもの。またボディ色では最初の“スーパーホワイト”は、このモデルから設定が始まった。ドアミラーもこの7代目から装着されるようになった。

エンジンは多彩なラインアップが敷かれ、6代目のターボに続き、1985年には、この7代目で日本初のスーパーチャージャーを搭載。また4輪ESC(ABS)の搭載も国内初のことだった。

この時代に考えられる最上級レベルの装備を盛り込んだ

シャシーは、量産FR車で世界唯一だったペリメーター型フレームに前:ダブルウイッシュボーン、後:セミトレーリングアーム式の4輪独立懸架の組み合わせ。後輪のショックアブソーバーの空気圧を自動調整する仕組みのオートレベライザーも設定された。

装備面では、メモリー付きチルト&テレスコピックステアリングの採用が世界初。そのほかマルチアジャスタブルマイコンパワーシート、リヤラウンジパワーシート、フルフラットシートや、セダンの後席にはバイブレーター、ヒーターなどの設定もあった。

何故かそういう呼び名だった電動式ムーンルーフ、フルコン/セミコン可変コンシールドワイパーなど、この時代に考えられる最上級レベルの装備、機能も豊富に盛り込まれている。

《島崎七生人》

島崎七生人

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト 1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

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