路線バス「うさぎ線」と因幡の白兎の微妙な関係【2023年はウサギ年】

路線バス うさぎ線
路線バス うさぎ線全 12 枚

2023年は兎(ウサギ)年だ。ウサギにちなんだクルマの話題はないかと探してみると「うさぎ線」という路線バスがあった。島根県出雲市の出雲観光タクシーが運行している。

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うさぎ線は白いボディのハイエースで、なんだかウサギっぽい。

◆出雲大社に白兎の石像があるわけ

そして出雲市といえば、大国主大神を祀った出雲大社。大国主といえば「因幡の白兎」。出雲大社にはこの神話に因んで、沢山の兎の石像がある。

ちなみに因幡の白兎とはこんな話だ。

稲羽(いなば)の八上比賣(やがみひめ)へ求婚する八十神(兄弟神たち)に従って旅をしていた大国主は泣いている白兎に出会う。

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ワニザメを騙して島を渡ろうとしたが最後にバレて皮をムカれてしまい、さらに八十神に騙されて浴びた海水がしみて痛くて泣いていたのを、大国主が救う。

兎はお礼に、八上比賣への求婚は八十神たちを差し置いて大国主が成功させると予言する。

出雲大社 ウサギ像出雲大社 ウサギ像

◆うさぎ線は兎じゃない!?

しかし、うさぎ線はなぜ観光バスではなく路線バスなのだろう? ウェブページを見ると出雲観光タクシーはフルサイズの貸し切りバスも持っている。

出雲タクシーに電話して聞いてみたところ、予想外の展開となった。

「なぜ、うさぎ線を始めたのですか?」と聞くと「出雲市の交通政策課の依頼で始めました。そちらに聞いてください」という返答。

そこで交通政策課にも電話をしてみる。

「なぜ、うさぎ線を始めたんですか?」

「もともと路線バスがあったのが無くなったので、(住民の足として)出雲タクシーにお願いしました」

「動物の兎や因幡の白兎は関係は?」

「関係ないです」

「え!?」

「鵜峠(うど)と鷺浦(さぎうら)を結ぶ路線なので“うさぎ”線なんです」

ショック! 兎は関係なかったのか……。しかし。話はここで終わらない。

◆うさぎ地区には白兎ゆかりの神社

調べてみると、鷺浦地区には伊奈西波岐神社(いなせはぎじんじゃ)がある。“「出雲国風土記」や「延喜式」にも記載されている由緒ある古社”とのことで、御祭神は稲背脛命(いなせはぎのみこと)だ。

同時に因幡の白兎の主要キャラである、八千矛神(やちほこのかみ)=大国主、稲羽白兎神(いなばしろうさぎのかみ)=因幡の白兎、稲羽八上比売命(いなばやかみひめのみこと)=八上比賣も合祀されている。

そして、伊奈西波岐神社はうさぎ線の路線上にある。関係はないようでやっぱりあったのだ。

伊奈西波岐神社伊奈西波岐神社

◆出雲大社から伊奈西波岐神社の白兎コース。

うさぎ線は1日往復9本。出雲観光タクシーのウェブページにPDFに時刻表がある。なお、一部予約が必要とあるので、そちらもウェブページで確認してほしい。

出雲大社から乗ったら、鷺浦バス停から徒歩1分だ。料金は片道420円。

Google Mapsで確認したところ、出雲大社から鷺浦はクルマで19分ほどの距離だという。出雲大社に観光で行ったら話のタネにちょっと寄ってみても良いかもしれない。

なお、因幡の白兎を祀った神社としては鳥取県鳥取市の白兎神社(はくとじんじゃ)もある。こちらも神話にちなんだ像があるほか、縁結びスポットとしても有名だ。

もっとも同じ山陰地方でも出雲市からはクルマで4時間ほどの距離にある。いちどきに廻るのは無理があるが、行ってみたい場所ではある。

《根岸智幸》

メディアビジネスコンサルタント、ソフトウェアエンジニア、編集者、ライター 根岸智幸

メインフレームのOSエンジニアを皮切りに、アスキーで月刊アスキーなど15誌でリブート、リニューアル、創刊を手がける。クチコミグルメサイトの皮切りとなった「東京グルメ」を開発し、ライブドアに営業譲渡し社員に。独立後、献本付き書評コミュニティ「本が好き!」の企画開発、KADOKAWA/ブックウォーカーで同人誌の電子書籍化プロジェクトなど。マガジンハウス/ananWebなどWebメディアを多数手がけ、現在は自動車とゲーム、XRとメディアビジネスそのものが主領域。 ・インターネットアスキー編集長(1997-1999) ・アスキーPC Explorer編集長(2002-2004) ・東京グルメ/ライブドアグルメ企画開発運営(2000-2008) ・本が好き!企画開発運営(2008-2013) ・BWインディーズ企画運営(2015-2017) ・Webメディア運営&グロース(2017-) 【著書】 ・Twitter使いこなし術(2010) ・facebook使いこなし術(2011) ・ほんの1秒もムダなく片づく情報整理術の教科書(2015) など

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