1 | お歳暮は上司から部下へ |
12月、イタリアでは「ドーポ・ナターレ!」という言葉が飛び交うようになる。Dopo Nataleとは、「クリスマスの後」を意味する。
イタリアの自動車メーカーやカロッツェリアの広報部に何かを頼んでも、この時期は結構な確率で「ドーポ・ナターレ!」が返ってくる。要するに、「すべてはクリスマス明けにネ」というわけだ。
イタリアにもお歳暮のようなものがある。ただし、日本と違うのは、職場の上司から部下に贈ることである。そうした贈り物用にと、スーパーや食料品店では、籠に入った詰め合わせが売られている。価格は2000円台くらいからだが、最近は安物のCDミニコンポなどが入っている2万円級のものまである。
中小企業の社長サンなどは、自宅の農園で作ったオリーブオイルやワインビネガー、さらに漬物やジャムなどを詰めて部下にプレゼントしたりもする。イタリアン・オヤジ上司は、結構大変なのである。