【ドイツ ミドルクラスセダン徹底比較】歴代モデルで見る5シリーズ、A6、そしてEクラス

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【ドイツ ミドルクラスセダン徹底比較】歴代モデルで見る5シリーズ、A6、そしてEクラス
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メルセデス・ベンツの新型『Eクラス』が2009年5月26日に日本で発表された。100年に一度と言われるこの世界不況の中、高級車の中では最も販売ボリュームの大きいこのクラスにおいて起爆剤となることを期待されているブランニューモデルだ。

ここでは同じくドイツ製高級ミドルクラスセダンであるBMW『5シリーズ』やアウディ『A6』と共に、各現行車種のキャラクターや技術的特徴をチェック。続いて過去へさかのぼり、それらの進化の過程を時代ごとに振り返ってみたい。

◆現行モデル比較…「伝統と革新」を体現する新型Eクラス

7年ぶりにフルモデルチェンジを行い、この2009年にW212型となった新型『Eクラス』は、その斬新かつ威厳ある異形4灯ヘッドライトが象徴するように、先進性、安全性、環境適合性といった項目において新たなベンチマークとならんとするモデルだ。

特に安全性においては、ドライバーの注意力低下を警告する「アテンションアシスト」、ハイビームの上下照射範囲を自動調整する「アダプティブハイビームアシスト」、あるいは歩行者保護対策の「アクティブボンネット」を全車標準とするなど積極的に展開。またシフトレバーを現行Sクラス譲りの『ダイレクトセレクト』に変更するなど、その改革の手は操作系にも及んでいる。

そしてデザイン面でもう一つの特徴となるリアホイールアーチの膨らみは、1950年代の180シリーズ(W120型)、通称「ポントン・メルセデス」をモチーフとしたもの。これは単なる意匠というレベルではなく、ミディアムクラスの原点に立ち返ろうという開発陣の意思の表れと見ていいだろう。新型Eクラスを一言で表すならば、やはり今回も「伝統と革新」がふさわしい。

◆現行モデル比較…革新的な5代目5シリーズ(E60型)

歴代『5シリーズ』の中でも、デザイン面や技術面で最もドラスティックに変化したのが2003年に登場し、今も現行車種である5代目5シリーズ(E60型)だ。その斬新なスタイリングがミディアムクラス市場に与えた衝撃は記憶に新しいところだろう。

主力エンジンは引き続き伝統の直6を採用。当時、世界中のメーカーが衝突安全性や生産性の点から直6エンジンの廃止を決めていく中、これらの時流に背くBMWの決断はファンにとってはまたとない嬉しいニュースとなった。

またシャシーに関してもボディ前半にアルミ合金を多用した「ハイブリッドボディ」によって前後重量配分50:50を実現。安全性や環境性能が厳しく問われる昨今、妥協ではなく根本的な解決方法によって理想を追い求める姿勢は、賞賛に値すると言っていいだろう。

技術面では他に、走行状況に応じてステアリングのギア比を可変させる「アクティブステアリング」をBMWで初めて採用。さらに電子制御スタビライザーでコーナリング時のロールを抑える「ダイナミックドライブ」、当時まだ珍しかったレーダーで車間を自動調節する「アクティブクルーズコントロール」、ランフラットタイヤ、走行速度やステアリング舵角に応じて光軸の向きを変える「アダプティブヘッドライト」が用意された。またナビゲーションなどの操作系に関しては7シリーズに続いて「iDrive」(アイドライブ)が採用されている。

2004年には4代目『M5』が登場。V10時代のF1テクノロジーを連想させる5リッターV型10気筒エンジン(507ps、53.0kgm)や、やはりF1からの直系を思わせる2ペダル式MTの7速SMGを採用したハイパフォーマンスセダンだ。

また2007年6月、M5を含む現行5シリーズはデザインの一部を変更したほか、シフトレバーまわりを一新。従来オプションだったものを標準化するなど、装備面でも充実したモデルとなっている。

◆現行モデル比較…ミディアムクラス市場で存在感を増すA6

2004年にデビューした3代目アウディ『A6』(C6型、2004年 -)は、今のアウディ車を象徴するシングルフレームグリルを初めて採用したモデル。メカニズム的には新世代の直噴エンジンやクワトロによって全天候型の走行性能を追求することで、メルセデス・ベンツやBMWに対抗。5年目となった2009年1月にはビッグマイナーチェンジし、新開発の3リッターV6直噴スーパーチャージャーエンジンを採用するなど、パワーと燃費性能の両立を追求している。

さて、ここからは一気に1960年代へ飛び、これらミディアムクラスセダンの草創期を見てみよう。

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《丹羽圭@DAYS》

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