【ドイツ ミドルクラスセダン徹底比較】歴代モデルで見る5シリーズ、A6、そしてEクラス

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【ドイツ ミドルクラスセダン徹底比較】歴代モデルで見る5シリーズ、A6、そしてEクラス
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2000年代…直6へのこだわりを表明した4代目5シリーズ(E39型)

1996年に登場した4代目『5シリーズ』(E39型、1996 - 2003年)は特徴的なデザインを備えるなど歴代5シリーズの伝統から一歩踏み出したモデルとなった。ボディサイズは拡大され、居住性や衝突安全性を高めたほか、電子制御化も一気に進められている。またモデルライフ途中から丸目ヘッドライトの周囲を発光させるデイランニングライト機能(コロナリング)が採用された。

しかし何よりもファンの心を勇気づけたのは、当時は衝突安全性を確保する条件のように言われたV6の採用をBMWが拒み、直6というエンジン形式にこだわった点にあるだろう。大手メーカーが次々に直6を廃止してゆく中、BMWはそのブランド哲学である「駆けぬける歓び」を身をもって示したわけだ。一方、E39型ベースの3代目M5では新開発の5リッターV8が採用され、大排気量・高性能化するライバルに対抗する道を選んでいる。

そして2003年、4代目よりさらに革新的となった5代目5シリーズ(E60型)が登場する。斬新なデザインと様々な新機軸を採用しながら、引き続き直列6気筒が主力エンジンとなったのは言うまでもない。

◆2000年代…永遠のライバル、新型Eクラスが登場

一方、21世紀を迎えたメルセデス・ベンツは2002年、3代目『Eクラス』(W211型、2002 - 09年)を発売する。先代に引き続き、丸目4灯式ヘッドライトを備えたスタイリングは全体に洗練されたものとなり、メカニズム面ではさらに電子制御化が推し進められた。そして2009年、Eクラスは7年ぶりのフルモデルチェンジで4代目(W212型)へ進化することになる。

ここまでドイツ製ミドルクラスセダンの半世紀におよぶ変遷を駆け足で追ってきた。そこから見えてくることは様々だが、その筆頭として挙げたいのは、Eクラス、5シリーズ、A6の各モデルがキャラクター、技術的特徴、方向性といった点で、まったく異なる進化を遂げてきた、という事実だろう。

伝統的に安全性や快適性を全面にアピールする新型Eクラスに対して、直6エンジンや重量バランスに優れたシャシーにこだわりを見せる5シリーズ。そして過給器エンジンやクワトロによって精密機械のような走破性を追求するA6。この3台のドイツ製ミディアムクラスは、今後さらに重要となる環境問題や安全性に対応しながらも、それぞれの哲学と伝統を守りながら切磋琢磨しあう好敵手であり続けるだろう。

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《丹羽圭@DAYS》

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