アラビア文字表記を学校に義務づけ、マラッカ州で波紋

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教育現場で使用されるアラビア文字(イメージ)
教育現場で使用されるアラビア文字(イメージ) 全 1 枚 拡大写真

マレー語を表記するためにイスラム化に伴って導入されたアラビア文字「ジャウイ文字」について、マラッカ州教育局が州内の各学校に掲示板などで併記を義務づける通達を出したことが波紋を呼んでいる。

同通達は11月2日に出されたもので、現在一般的に使われているローマ字表記と併記することを全ての学校に求めている。実施期限は12月末となっており、来年2月には通達を守っているかどうか立ち入りチェックを行なうと警告している。

ジャウイ文字は一般の世俗学校では教えられておらず、読める者はイスラム教徒でも多くはない。当然のことながら非イスラム教徒はほとんど読むことができない。ジャウイ文字併記はイスラム教と結びついており、イスラム化の強化が背景にある。このため同州与党の華人政党・マレーシア華人協会(MCA)などは、華語学校などの民族語学校にも義務づける必要があるのかと疑問を呈している。ウィー・カション副党首は、「他の民族の言語を学ぶことは良いことだが、強制されるべきではない」と指摘した。マレー人社会からも、「教師も生徒も読めない表示をしても意味はない」「表示より先に教育だ」といった否定的な声が挙がっている。

伊藤 祐介

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