オーストラリア公的機関が「ホメオパシーに医療効果なし」と断言

エマージング・マーケット オセアニア

国内医学研究機関が最終的に判定

 同種療法とも呼ばれるホメオパシーの医療効果については科学的な実証がなされておらず、科学的な実験手続きが要求される主流の医学では否定されているが、ホメオパシー支持者の抵抗が続いてきた。この度、オーストラリアの国立保健医療研究委員会(NHMRC)が1,800件にのぼる代替医療研究論文を審査し、プラシーボ(偽薬)以上の薬効はないとの判定を下した。

 3月11日付ABC放送(電子版)が伝えた。

 ホメオパシーは、健康体に病気を引き起こす物質を極度に薄め、その病気の患者に与えることで治療するというもので、処方される希釈度では、元の物質の分子1個も残っていないことも考えられるが、この療法の理論では希釈した液体に元の物質の記憶が残っているとされている。また、この元の物質にもかなり奇妙な物が用いられている。NHMRCでは、1,800件の論文のほとんどは科学論文の水準に達しておらず、わずか225件についてのみ精査した。

 その結果、頭痛、喘息、不安症、多動症候群、潰瘍などの一般的な医学的症状に対する治療にブドウ糖などの錠剤を使ったプラシーボと比較して、ホメオパシーには何らの薬効も認められていなかった。また、ホメオパシーが、その他の医療と同等の健康改善効果があると主張する研究論文では、それを実証するのに十分な被験者数を揃えた実験が1件もなかった。

 声明の中で、NHMRCのCEOを務めるウォーウィック・アンダーソン教授は、「医療はすべて信頼できる証拠に基づかなければならない。ホメオパシーがプラシーボより効くとする主張を裏付けるのに足りるだけの内容の証拠が1件も見つからなかった。ホメオパシーを受ける患者は、安全性と効果が実証されている治療を拒否したり、遅らせた場合には健康のリスクを冒すことになる。また、ホメオパシーを受けることを考えている患者は登録医のアドバイスを受けてからにすべきだ」と警告している。

 世界保健機関(WHO)によれば、オーストラリア国内では2009年1年間に730万ドルがホメオパシーに使われた。

■ソース

Homeopathy no more effective than placebos, major Australian study finds

「ホメオパシーには医療効果なし」

《Nichigo Press》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

アクセスランキング

  1. スズキ『アルトワークス』復活なるか!? 軽スポーツ復権への期待
  2. 日産『マイクラ』新型、英国累計販売10万台目のEVに
  3. BMWの新点火技術「Mイグナイト」、今夏から全てのM直列6気筒エンジンに搭載
  4. ホンダの最高級ミニバンが復活か?『エリシオン』後継でアルファードに挑む
  5. 政府のガソリン補助金、9月からレギュラー1リットル175円案浮上[新聞ウォッチ]
  6. 「LAND CRUISER OFFICIAL ITEMS」、新作を7月24日発売…『ランドクルーザーFJ』Tシャツも
  7. ルノー『メガーヌ』EVに改良新型、航続500km・急速充電24分に進化…フロントも刷新
  8. 次期『ノート』が日産復活の切り札となる? 2027年登場へ、価格は約30万円上昇か
  9. 安いのに高品質はなぜ可能? ALNEXのプロテクションフィルムは技術と効率化が全く違う次元で施工されるPR
  10. アストンマーティン、軍用SUV『Dreadnought』発表…「攻撃的な全輪駆動」を表現
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 警察庁、高齢運転者技能検査を見直しへ 合格者の事故率を追跡調査してみたら…
  2. AIDVの開発にもAIを活用、日産がプラットフォームをデモ…AWS Summit Japan 2026
  3. 超高硬度クロムめっき、EV・半導体部品の長寿命化に貢献…大型量産設備をサン工業が稼働 
  4. 【セミナー見逃し配信】※プレミアム・法人会員限定 全固体(半固体)電池の現在地と将来展望~問われる全固体電池ならではの優位性とその価値の再定義~
  5. 中国サプライヤーが日本市場へ本格攻勢、“長期戦略”と“チャイナスピード”両立する「DESAY SV」次の一手とは
ランキングをもっと見る