BMW 8シリーズ 新型…ラグジュアリークーペを再定義し、プレミアムなドライビング体験を問う

美しさと豪華さ、そしてピュアスポーツ

目を離せない美しさ

4シリーズ並みのホイールベース

競合と真正面から勝負

BMW 8シリーズ
BMW 8シリーズ全 8 枚

BMW『8シリーズ』が復活した。BMWジャパンは “ラグジュアリークーペを再定義する”クルマだという。

美しさと豪華さ、そしてピュアスポーツ

現在SUVマーケットが大きくなっているが、「2019年は、より本質的なドライビングプレジャーの領域で、もう一度お客様に、プレミアムのドライビング体験とは何かをしっかりと問いたい。そのキーとなるクルマが『8シリーズ』であり『3シリーズ』だ」とは、BMWブランド・マネジメント・ディビジョンプロダクト・マーケティングプロダクト・マネジャーの御舘康成氏の弁。

新型8シリーズは、「ラグジュアリークーペを再定義するクルマだ」という。この“再定義”という意味について御舘氏は、「ラグジュアリークーペには様々なユニークセールスポイントがある。スタイルの美しさ、内装の豪華さ、ピュアスポーツとしてのパフォーマンス。それらを最新のBMWの技術を使えばこの全てが手に入る。これがラグジュアリークーペを再定義するということだ」と説明。

新型8シリーズはコンセプトカーの時からコンクールデレガンスを含め、世界の名だたるイベントに出品され美しさを訴求、高い評価を得た。その一方で、「新型8シリーズが発表される前から『M8GT』がレースに出場。『M8』など誰もコメントすらしていないにも関わらずだ」と御舘氏。そして新型8シリーズを正式に発表したのはルマン24時間レースの会場だった。「このことは、BMWが新型8シリーズが、ラグジュアリークーペとともにスポーツ性能も再定義する、という意欲の表れだ」と述べる。

1990年代に販売された初代8シリーズは、「色々な要因があり、残念ながら最終的にはMモデルを持つに至らなかった。BMW M社の人間と話すとそのことに関して非常に強い思い入れがある。だからこそ、ベース車の販売もしていないにも関わらず、GTモデルを使ってサーキットパフォーマンスを立証しているのだ。美しさを実証する一方で速さも実証する。このクルマのコンセプトは“ジェントルメンズレーサー”なのだ」とコメントした。

目を離せない美しさ

「デザインキーワードは“IRRESISTIVE AESTHETIC APPEARANCE”。目を離すことができない非常に美しいスタイリングだ」と御舘氏。特にエレガントなルーフラインを例に、「BMWは歴史的にも世界で最も美しいといわれるプレミアムクーペを世に多く問うてきており、その究極の形だ」という。ルーフは、「あえてダブルバブル式にすることによって、エレガントなクーペの中にもレーシーな雰囲気を実現している」と説明。

内装にも、上質なレザーやアンビエントライト、クラフティッドクリスタルのシフトノブを採用。このシフトノブは標準装備とし、「もうここをカーボンにして操作する時代ではない。パフォーマンスは超一級のピュアスポーツだが、室内は一級のラグジュアリーな雰囲気で満たされるクルマにしたい。それを象徴的に表しているのがこのシフトノブだ」という。

御舘氏は、「実はある有名なガラス装飾メーカーの作なのだが、BMWの作品としてあえてそのサプライヤーの名前は公表していない。しっかりとガラスを手磨きして立体造形をして出している非常に美しいものだ」と述べた。

4シリーズ並みのホイールベース

パフォーマンスは、新開発のV型8気筒ツインターボエンジンを搭載し、最高出力は390kw(530ps)、最大トルクは750Nmを発揮し、0-100km/h加速は3.7秒と、「このセグメントにおいては第一線級のピュアスポーツに匹敵するパフォーマンスを実現している」と御舘氏はいう。

この性能を実現するために8シリーズはカーボンコアボディを採用している。「これは元々『7シリーズ』で訴求したもので、Bピラーを囲むようにキャビンを軽量で堅牢に作ることで、快適な乗り心地を実現していた。一方の8シリーズではセンタートンネルにカーボンを使い、センターの曲げ剛性を高めることによってより俊敏なハンドリングワークを実現している」と説明した。

また、ホイールベースは『6シリーズ』の2855mmよりも短い2820mmである。因みに『4シリーズ』は2810mmであることを踏まえ御舘氏は、「4シリーズで大人2人と子供がリアに座れる。つまり家族4人が十分に座れるホイールベースでありながら、より俊敏性の高いハンドリングも実現」。そのためにセンターにカーボンコアボディを使い、かつ、「インテグラルアクティブステアリング、つまりリアステアも含んであたかもひとクラス下の軽量なライトウェイトスポーツのような俊敏性を実現している」と話した。

競合と真正面から勝負

「我々はこのクルマでラグジュアリークーペを再定義する。スタイルも快適性も、そして何より第一級のスポーツカーとしての走りを同時に実現するクルマ。全く新しい基準のラグジュアリークーペができたと自負している」と、したうえで、御舘氏は「2019年はもう一度新しい世代のドライビングプレジャーを問いたい」という。競合車として、「レクサス『LC』は約2500台販売された。美しいスタイリングで1000万円越えのクルマだが非常に素晴らしいパフォーマンスだ。また、2019年は先般正式に発表されたポルシェ『911』が市場デビューする。LCの美しいスタイリングと、911の伝統的なピュアスポーツカーとしての比類なきパフォーマンスに、最大限の敬意を払ったうえで、真っ正面から勝負をしたい。それだけの自信のあるクルマだ」と語った。

《内田俊一》

内田俊一

内田俊一(うちだしゅんいち) 日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 1966年生まれ。自動車関連のマーケティングリサーチ会社に18年間在籍し、先行開発、ユーザー調査に携わる。その後独立し、これまでの経験を活かしデザイン、マーケティング等の視点を中心に執筆。また、クラシックカーの分野も得意としている。保有車は車検切れのルノー25バカラとルノー10。

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