【ITSの明日はどっちだ】宴の後の構造問題、世界が失笑

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【ITSの明日はどっちだ】宴の後の構造問題、世界が失笑
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■縄張り意識は相変わらず、悪いのは役所だけではない

昨年秋のITS世界会議を前に『日本ITS推進会議』が設立され、ITS推進の指針案をまとめた。ITS関係の会議は各省庁ごとに星の数ほどあるが、日本ITS推進会議の特徴は「官庁の局長級が顔を揃えることや、NPO(特定非営利法人)なども加わる点が新しい」(ITSジャパン)という。逆に言うと、ITSが国家プロジェクトとして認識されてから今まで、関係省庁の局長級が顔を合わせる会議体がなかったということだ。

「実際、省庁間の縄張り意識はまったく変わっていない」と、某業界団体の幹部は話す。現在、ITS関係の技術開発や実務作業を手がける業界団体は省庁の担当課ごとに分かれ、受託調査や研究などで棲み分けている。この団体に各業界のメーカーが社員を出向させてぶらさがるという構図ができている。

こうした団体に出向中の大手電機メーカー研究員は「メーカーにとっても、こんなに美味しい話はない。一つのプロジェクトが終わる期間(3年が多いという)は、遊んでいてもカネがもらえるのだから」と打ち明ける。「昔、省庁再編でできた役所(国土交通省か?)でITS団体を統合しよう、という話が出たが、官僚ではなく、メーカーの反対で潰れたと聞いている。同じメーカーのなかでも、車両系や施設系など業務別に縄張りがあり、仲が悪いという話も聞く」(同)。

「縄張り意識」と聞くと、官僚の専売特許のようだが、実際は「中央省庁」→「天下り団体」→「団体に研究員を出しているメーカー」という、官民による既得権益集団になっているようだ。

■後が続かない
■で、渋滞は解消したの?---わかりにくい効果
■原因を検証---結局は公共事業だった!?
■縄張り意識は相変わらず、悪いのは役所だけではない
■民間も世界観の違いに四苦八苦
■これからどうする?
■ITSはクルマ社会だけのプロジェクトではない!

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《編集部》

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