【ITSの明日はどっちだ】宴の後の構造問題、世界が失笑

自動車 テクノロジー ITS
【ITSの明日はどっちだ】宴の後の構造問題、世界が失笑
【ITSの明日はどっちだ】宴の後の構造問題、世界が失笑 全 7 枚 拡大写真

■ITSはクルマ社会だけのプロジェクトではない!

【画像全7枚】

DSRCで動画を短時間でダウンロードしたり、クルマから温泉宿を瞬時に予約することもITSサービスとして期待されるが、ITSの今後にとって大事な視点がもう1つある。『ITSはドライバーだけのものではない』ということだ。

豊かになればなるほど強くなる人々のモビリティ(移動性)への要求に、限られたインフラで応えていくための手段がITS。ITSで単にクルマや道路をハイテク化しただけでは、クルマ自体の数や移動頻度が増え、結局は事故や渋滞の増加につながってしまう。

社会経済生産性本部が「VICSに公共交通機関情報を」と求めているのは、極めて有意義な提言といえる。電車やバス、飛行機、船舶といった公共交通機関は低コスト・大量輸送というメリットがある半面、移動の自由度に欠ける。ITSを駆使して、自家用車と公共交通機関の間にある垣根を低くすれば、移動需要が平準化し、事故や渋滞、環境汚染を減らせる可能性が出てくる。

今後は、公共交通セクターの事業者や自治体が積極的にITSへ関与するべきだ。このことは、遠からず社会問題になるであろう「高齢者のモビリティ」を確保するうえでも、極めて重要なことだ。

しかし、残念ながら現状は、ITS世界会議も終わり、インフラメーカーが国土交通省のスマートウェイプロジェクトに「ETCの夢よもう1度」と期待を膨らませる一方、自動車・電機メーカーは儲からないITSに少しずつ距離を置き始めた、というのが実態だ。

せっせと縄張り争いと予算獲得にはげむ中央省庁にも、国家プロジェクトとして日本のITS像を真剣に議論する姿勢はうかがえない。このままの状態が今後も続けば、ITSが目指した「事故ゼロ・渋滞ゼロ」の交通社会が逃げ水のように遠のくだけでなく、道路のあちこちに“税金の無駄遣い”の痕跡が無惨な姿をさらし、「何がITS大国だ」と世界から失笑を浴びるだろう。

■後が続かない
■で、渋滞は解消したの?---わかりにくい効果
■原因を検証---結局は公共事業だった!?
■縄張り意識は相変わらず、悪いのは役所だけではない
■民間も世界観の違いに四苦八苦
■これからどうする?
■ITSはクルマ社会だけのプロジェクトではない!

  1. «
  2. 1
  3. 2
  4. 3
  5. 4
  6. 5
  7. 6
  8. 7

《編集部》

ピックアップ

レスポンス公式TikTok

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 日産が新型小型EV『ピクソ』を欧州発表、ルノーと共同開発…航続259km
  2. 日産『ローグ ハイブリッド』新型、第3世代「e-POWER」搭載…今秋米国発売へ
  3. アウディ6車種858台リコール、燃料漏れ
  4. ここまで変わる? ホンダ『アコード』次期型の新デザインを予想
  5. 「パジェロ復活したしランエボも…」三菱『ランサーエボリューション』がPHEVで登場!? SNSでは期待高まる
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 居眠り・脇見を監視、「DMS」を義務化…乗用車は2031年から、バス・トラックではすでに普及
  2. ホンダの交換式電池、建設現場で実証…高さ385mの「トーチタワー」
  3. 【全文PDFプレカン】日産自動車 長期ビジョン発表会
  4. 「認知機能は正常」でも事故は起きる…「運転技能検査」厳格化、高齢者に問われる“運転する力”【岩貞るみこの人道車医】
  5. ポルシェはなぜブガッティを手放した? 10億ユーロで売却、選択と集中へ
ランキングをもっと見る