トレンガヌ州政権に暗雲、州首相らが離反…BNが過半数割り込む

エマージング・マーケット 東南アジア

トレンガヌ州のアハマド・サイド首相が12日、ナジブ・ラザク首相に辞表を提出。同日、アハマド・ラジフ氏が新たな州首相に就任した。

アハマド氏は辞任直後に与党第一党・統一マレー国民組織(UMNO)離党を発表。アハマド氏に追随してガザリ・タイブ、ロスリー・ダウドの両州議会議員もUMNO離脱を発表(ロスリー氏は後に撤回)し、同州の与党連合・国民戦線(BN)政権が揺らいでいる。

UMNOを離党した2氏は当面無所属となるが、野党・汎マレーシア・イスラム党(PAS)についた場合には同州議会におけるPASの議席数が16議席となり、15議席のBNを上回る。PASに合流しなかった場合でも、BNが過半数を割り込むことになる。同州議会を解散し出直し選挙を行うべきとの声も上がっており、同州政局がさらに混乱、引いてはマレーシア航空機事件やイスラム刑法問題などでガタ落ち状態のナジブ政権の求心力がさらに低下することも予想される。

アハマド氏については、2008年3月の総選挙後にBNがイドリス・ジュソー前首相の再任を決めたものの、現国王であるミザン・ザイナル州王がBNの決定を無視してアハマド氏を強行指名、双方の対立が高まる中、最終的にはBNが折れる形でアハマド氏の就任が決まったといういきさつがある。

アハマド氏の在任中の実績に関してはUMNO内部からも批判が多く、さらに昨年5月の総選挙でBNが同州で大幅に議席を減らしたことから、BN内部からも次回の総選挙をアハマド氏の下では戦えないとの不満の声が上がっていた。惨敗した総選挙後に去就問題が浮上したが、5月の娘の結婚式まで州首相の地位にとどまりたいとするアハマド氏の意向とUMNO内部の不満の間をとってナジブ首相が1年のみの任期延長を認めたとの情報もある。

伊藤 祐介

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

アクセスランキング

  1. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
  2. 「強烈な需要がありそう」スバルの3列シートSUV『アセント』が今、SNSで話題に
  3. 燃えるエアフィルターに有害なブレーキも…メルセデスベンツの粗悪偽造品、2024年は150万点超を押収
  4. 「泥が似合うグレードを!」三菱『パジェロ』がPHEVで復活!? スクープ情報にSNS沸く
  5. 三菱『パジェロ』7年ぶり日本復活か!? 日産 パトロール 派生モデルの可能性も
  6. 21車種・64万台超、トヨタ自動車の大規模リコールに注目集まる…7月掲載のリコール記事ランキング
  7. その名の通り1000馬力! 新型スーパーカー『ブラバス1000』発表、AMG GTのPHEVをさらに強化
  8. 軽EV市場に新顔登場、ホンダ『N-ONE e:』と競合する車種
  9. 日野『プロフィア』2827台でリコール…配線の設計不備で火災のおそれ
  10. 待望の新型スズキ『GSX-R1000R』が予告なしの初公開!「3色3様」往年のレーシングカラーで日本市場復活へ
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. ブレンボが新ブレーキ開発、粒子状物質を削減…寿命も最大2倍に
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. スズキ初のBEVはなぜ「軽EV」じゃない?『eビターラ』開発者が語る「EVの悪循環」と「スズキの強み」
  5. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
ランキングをもっと見る