煽動法廃止要求キャンペーン、マレーシア弁護士会が開始

エマージング・マーケット 東南アジア
マレーシア(イメージ)
マレーシア(イメージ) 全 1 枚 拡大写真

言論弾圧の恐れのある「1948年煽動法」について、弁護士会全国青年部(NYLC)が同法の廃止に向けた全国キャンペーンを開始した。

4日の出発式には、公正な選挙を求める民間グループ「BERSIH(クリーン)」の元代表、アンビガ・スリーネヴァサン氏も出席した。

煽動法は英国植民地時代にできた法律で、政府やスルタンなどの権力、マレーやイスラムなどの宗教に対する批判的な言論に対して度々適用され、言論封殺の道具として使用されてきたとの批判が多い。このため政府は煽動法に代わる法律として国民和合法の成立に向けた準備を進めているが、人権団体は内容がほとんど変わらないと批判している。

弁護士会のクリストファー・リョン会長は、煽動法が、ある人が他人から侮辱や軽視を受けたと訴える時にいつも使われる法律だと指摘。そもそも国家の調和を目的として作られたものではなく、むしろ過激派を生んで国内の分裂を恒常化させると述べた。

煽動法を擁護するマレー人の権利団体、ペルカサのセランゴール州支部は、国家の調和にとって「盾と矛」として必要だとの声明を出している。弁護士会の動きを受けてシャヒダン・カシム首相府相は、煽動法を廃止すると約束した覚えはないと強調し、ナジブ・ラザク首相が見直しをする意向を示しただけだと述べた。

伊藤 祐介

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

アクセスランキング

  1. インフィニティは最上位SUV『QX80』にGT-Rエンジン移植、1000馬力超「R-Spec」発表へ…SEMA 2025
  2. ライバルはアルファード? メルセデスベンツの最高級ミニバンが日本初公開!…ジャパンモビリティショー2025
  3. トヨタ『ランクル60』に最新V6ツインターボ移植、「ターボトレイルクルーザー」発表へ…SEMA 2025
  4. ホンダ『シビック タイプR』がラリーカーに、競技参戦を想定…SEMA 2025
  5. 日産が業績見通し修正、上期営業損失300億円…下期はサプライチェーンリスク想定
  6. 日産 フェアレディZ をレーシングカーにカスタム、「NISMO GT-Z」発表へ…SEMA 2025
  7. レクサスの新型「6輪ミニバン」の全貌が明らかに!「LS」はラグジュアリーセダンから「ラグジュアリースペース」へ…ジャパンモビリティショー2025
  8. ホンダのSUV『パスポート』、オフロード性能を極めるコンセプトカー提案…SEMA 2025
  9. みんなが待っていた! ダイハツ『コペン』が復活、堂々の予告…土曜ニュースランキング
  10. スズキが新型クロスオーバー『SV-7GX』を世界初公開! 初心者にも優しいV2アドベンチャー、2026年後半に欧州発売
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
ランキングをもっと見る