塩&コショウ&酢? 抗ヒステリーキットを大学が開発…マレーシア

エマージング・マーケット 東南アジア

学校や職場での集団ヒステリーがたびたび報告されるマレーシアだが、このほどマレーシア・パハン大学(UMP)が「抗ヒステリー・キット」なるものを発売し物議を醸している。

「邪悪な精霊」を追い払う効果があるという、塩やコショウ、箸、ライム、酢などありふれた日用品を詰め合わせただけのものだが、イスラム伝統医療の専門家などが3年かけて開発したと謳っている。価格は1キットが8,750リンギもするが、ダイング・ナシル副学長は「コーラン(クルアン)やハディース(ムハンマド言行録)にも邪悪な霊は塩や酢、香辛料などに耐えられないと書かれている」と主張。教育省からも同研究のために18万9,000リンギの補助金を受けていると、正統性を強調している。

同州ムフティ(宗教指導者)も、「イスラムの教えに準じている限り問題はない」と「抗ヒステリー・キット」を支持する考えを示した。

一方、マレーシア精神医学協会は、ヒステリー症状に現代医学の専門家による治療を受けないでも治ると大衆に思わせる報道は問題だと指摘。ヒステリーは専門家が永年研究を行っており、きちんと医薬ガイドラインに則った治療を行うべきだと批判している。

伊藤 祐介

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

アクセスランキング

  1. ライバルはアルファード? メルセデスベンツの最高級ミニバンが日本初公開!…ジャパンモビリティショー2025
  2. インフィニティは最上位SUV『QX80』にGT-Rエンジン移植、1000馬力超「R-Spec」発表へ…SEMA 2025
  3. カローラクロスと立場が逆転、だからこそ生まれた「斬新セダン」のデザイン…ジャパンモビリティショー2025
  4. 三菱自動車、国内販売は5期連続増 2025年4~9月期実績
  5. トヨタ『ランクル60』に最新V6ツインターボ移植、「ターボトレイルクルーザー」発表へ…SEMA 2025
  6. BYDの軽EV『ラッコ』をどう売っていくのか? 日本専用開発のねらいを東福寺社長に聞いた
  7. ホンダ『シビック タイプR』がラリーカーに、競技参戦を想定…SEMA 2025
  8. レクサスの新型「6輪ミニバン」の全貌が明らかに!「LS」はラグジュアリーセダンから「ラグジュアリースペース」へ…ジャパンモビリティショー2025
  9. MASERATI 111th “永続する美と走り”をいま、あなたの週末へ。PR
  10. ヤマハ『R7』が全面進化! 電子制御、シャシー刷新で示す「ミドルスーパースポーツの新たな可能性」
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
ランキングをもっと見る