【2010年の10大ニュース座談会】日本自動車メーカーはディフェンダーでチャレンジャー

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 2010年の1、2、3位は固い…見出し決め、順位確定

三浦---1、2、3位は…1位「トヨタリコール問題」。問題になったことが問題なんだ。2位「エコカー補助金ドタバタ」、3位「EVフィーバー」でよいでしょう。それ以降ですが、自動車業界全体を考えると4位は「アジア戦略アジア生産」ですね。あとは「中国問題」を具体的にとらえたいです。レアアースに関しては自動車業界は困っているけれど。

井元---自動車業界が困っているというだけでネタにはなります。外交に使われるくらいインパクトがあるということですから。中国からレアアースを輸入し、日本で付加価値付与を行っていたが、今後は付加価値付与まで中国で行うことになりそうです。

三浦---アメリカの強さと中国の強さは似ていますよね。市場があり、軍事力があり。中国は圧倒的に元安ですしね。中国から安いものを使って世界が潤っているわけだから、中国問題に関しては悪いことばかりではない。そういう見出しがほしい。

井元---国の強みを生かすのは一般的なことですからね。日本企業よりはるかに劣悪な状況で働かせている海外企業も中国にはあります。それなのに日本をたたく。日本企業にとっては中国偏重主義みたいなものを見直す良い時期ですよ。自動車業界としてはリスク分散などに関しても考えさせられたといえる。

三浦---よくも悪くも、中国が「止まらない」。今年のニュースとしての順位は…下がるかな?

井元---スバル、アイサイトは上位でもいいと思うのです。安全面に新しい価値と価格、そしてユーザーの動向を変えましたから。スバルディーラーではない店で、「アイサイトをください」と買いにくるお客さんもいるようです。

石田---高速道路料金については、首都圏ではあまり感じないかもしれませんが地方では大きな問題ですから、これも順位は低くありませんよ。道路のインフラと政治の両面が複雑に絡んでいる。

北島---スマートフォンに関してはナビだけではないということですね。コンテンツもある。自動車文化を変えるという大きなイメージでとらえましょう。柔軟性の高いスマートフォンが車でも活用できるということです。

宮崎---円高は、もう、ひっくるめて「円高!」。見出しパワーで順位を上げる。アニメのタイトルみたいですが(笑)。

 レスポンス的2010年の10大ニュース
1位
 「トヨタリコール問題」問題
2位
 エコカー補助金ドタバタ終了
3位
 日本EV、大フィーバー
4位
 アジア戦略アジア生産
5位
 円高!
6位
 アイサイトください
7位
 高速無料化、一部だけ
8位
 車でもスマートフォン
9位
 中国がとまらない
10位
 GM、スピード再上場
次点
 環境自動車税議論
来年何かが起きる?
 ヒュンダイ脅威

まとめ

井元−−−ネガティブな話題が出てきた年でしたが、そのなかでどう日本の自動車メーカーが立ち位置を探すのか、経済動向に縛られず、地域よって最適な経営を行う、そうした模索が始まり、一部は具体化した一年だったように感じます。

三浦−−−これからは補助金がなくなり、ようやく日本市場のことが通常に考えられる。しっかりしたビジネスモデル、中国・アジア戦略を考える段階に入りました。

井元−−−自分たちの居所をしっかり探すことですね。ニュースが少ないと思ったのは、エネルギー分野。エネルギー分野への着手が早いのはやはりトヨタでしょう。11年はエネルギー分野での各社の取り組みも楽しみです。日本メーカーはディフェンダーでもあり、チャレンジャーでもある。11年以降は世界市場で新たな戦いが繰り広げられることになります。

■EVが頻繁に見出しを飾った2010年
■EV関連記事は一日平均3本
■海外戦略が始動…世界戦略車とアジア戦略車
■巨大市場が人質の「中国問題」
■環境自動車税制には今後注目
■「GM再上場」と「ヒュンダイ脅威」が当落線上
■いよいよ1位決定
■メディアの煽りすぎはよくないが…それでもEVフィーバー
■スバル、アイサイトに見る日本自動車メーカーのあり方
■2010年の1、2、3位は固い…見出し決め、順位確定
(おわり)

《レスポンス編集部》

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